【橈骨遠位端骨折】プレート固定手術 手術の時におさえておきたい 看護のポイント

手術室看護師

冬の時期に滑って転倒することにより増加してくる橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折で手術適応になった場合に、よく行われているプレート固定について

手術室看護師として手術の時におさえておきたいポイントを今回まとめてみました

新人の時から入ることが多い手術だと思うので基本的な手術の流れなどを参考にしていただければ思います

伝達麻酔で行われることが多く外回り看護師が、患者さんの状態を観察しながらインプラント出しをしなくてはいけないこともあると思います、外回り看護師としても気をつけたいポイントをまとめてみました

原因

転倒などにより手のひらをついたり、自転車やバイクに乗っていて転んだ時に
前腕の2本の骨(橈骨・尺骨)の橈骨が遠位端で折れる骨折です

閉経後の女性では骨粗鬆症が原因で骨がもろくなっているため骨折しやすいです

若い人でも交通事故により外力が強く加わると骨折することがあります

子どもでは橈骨の成長軟骨板のところで骨折することがあります

橈骨遠位端骨折の診断

レントゲン検査で橈骨の遠位端に骨折がみられます
橈骨の折れ方で治療法が変わってきます、折れた部分が骨折線が1本だけの単純なものか、小さい骨片がある不安定な骨折か、骨折線が手首の関節に及んでいるかなどを判断します

コレス骨折
橈骨の骨片が背側(手の甲側)にずれたものをコレス骨折と言います

スミス骨折
橈骨の骨片が掌側(手のひら側)にずれたものをスミス骨折と言います

コレス骨折またはスミス骨折により骨折部に転移が生じ、保存療法では整復がこんな場合、手術適応となります

橈骨遠位端骨折の手術にはプレート固定の他に整復後経皮ピンニング方や創外固定法があります

「ロッキングプレート」が開発されてからは、プレートで固定することにより術後早期に手首の関節を動かせる方法が用いられるようになっています

ロッキングプレート

プレートのスクリューホールとスクリューヘッドに「ネジの山と溝」があり、プレートとスクリューがロックされることにより固定力が強くなるプレートのこと

手術の概要

  • 方法
    橈骨遠位端の骨折に対して、掌側または背側からアプローチして整復・固定をする
  • 麻酔方法
    伝達麻酔
  • 手術による合併症
    正中神経手掌枝損傷
    橈骨動脈損傷
    整復不良
    関節面へのスクリュー穿破

手術の手順:プレート固定

看護師として覚えておきたい手術の流れ

  1. 皮膚切開
  2. 掌側アプローチ
    筋や腱を避け骨折部を展開していく
  3. 整復・仮固定
    骨折部をCアームで整復位を確認しながら、Kワイヤーなどを使用し整復し仮固定する
  4. プレート設置
    ロッキングプレートを使用しドリリングしスクリューを挿入していく
  5. 固定性の確認
  6. 閉創

看護のポイント

タニケットによる駆血

術中の出血のコントロールのためにタニケットを使用するため、駆血時間と圧に注意が必要です
手術終了後もタニケット部分の皮膚の状態観察も必要になってきます

タニケットを解除した時、一気に循環血漿が駆血していた先の方へ流れ込むことで、血圧が低下し血液分布異常性ショックとなることがあるため、駆血を解除した時は血圧の変動に注意が必要になります

コーティカルスクリューによる圧着

仮固定が出来たらプレートの設置になります、プレートの近位にコーティカルスクリューを挿入しプレートを骨に圧着します

メーカーによっては近位と遠位のスクリューのサイズが違うことがあるので、医師にドリルを渡す時はドリルのサイズ間違いに注意が必要

スクリュー挿入の流れ

スクリューを挿入するときの流れはだいたい決まっているので順番を覚えておくとスムーズに器械出しができると思います

  1. ドリリング
  2. デプスゲージで計測(ドリリングした穴の深さを計測)
  3. スクリュー挿入

まとめ

橈骨遠位端骨折は1年通して手術をしていますが、特に冬の時期に滑って転倒することで受傷し手術をすることが多いというイメージです

新人の手術室看護師が、最初のプレート固定手術で覚えていくことが多いと思います

件数の多い手術になるのでメーカーの方の立会いがなく、器械出しとしても器械を覚えることが必要ですし、外回り看護師も患者さんの観察をしながらインプラントを間違えないように術野に出すことが必要になってくると思います

今回の投稿が少しでも参考になればと思います

最後までご視聴ありがとうございました

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