脊椎手術の中でも最初の頃に器械出しとして腰椎椎間摘出術の手術に入ることは多いと思います
脊椎の手術はなかなか術野が見えなくて器械出しをしていると何やっているかよくわからないことが多いと思います
今回そんな脊椎手術の手術室看護師のおさえておきたいポイントをまとめてみました
少しでも参考になればと思います
適応疾患
適応疾患は腰椎椎間板ヘルニアになります、最初は内服薬の治療が行われます、痛みが強い時は腰部の安静やコルセットを装着します
それでも強い痛みがある場合は神経ブロック療法を行い痛みの緩和を目指します
一般的に手術をせずに薬物療法や理学療法なので症状は改善しますが、痛みが良くならない場合、下肢の脱力や排尿・排便障害が出てくるようになると腰椎椎間板摘出術などの手術適応となります
腰椎椎間板ヘルニアの症状
- 急性期
重たい物を急に持ち上げた時や、くしゃみをした時に起こるもの。痛みが非常に強く歩くこともできない場合もありますが、次第に軽快していきます - 慢性期
急性期をそのまま放っておくと、さらに椎間板から髄核の突出が進行し、神経を圧迫してしまうため慢性的な痛みへと移行していきます
腰椎椎間板ヘルニアの原因
椎間板は線維輪(切り株の周りの部分)と髄核(切り株の中心)でできており、脊椎をつなぐこととクッションの役目をしています
椎間板が加齢などにより変性し断裂することで一部が突出し、神経を圧迫することで症状が出現します
腰椎ヘルニアの好発部位は第4腰椎と第5腰椎と仙骨の間の椎間板が突出してくることが多いです
- L4/5の症状
ふくらはぎの外側から足の親指にかけての痛みや痺れ - L5/S
膝の後ろから側から足の裏側にかけての痛みや痺れが起こります
手術の概要
- 麻酔方法:全身麻酔
- 手術体位:腹臥位(4点支持器を使用)
- 合併症 :硬膜損傷
腹臥位による圧迫障害(神経・眼・皮膚)
神経損傷 - 手術種類
LOVE法
従来の方法になります、背部正中を5〜6cm皮切し、筋肉を骨から剥がして神経を確認し、その奥にあるヘルニアを摘出します
MED法
約2cmの皮切から内視鏡を挿入し、モニターで見ながら部分的に骨切除を行い、神経をよけてヘルニアを摘出します
この二つ以外の方法もあります
手術の手順(LOVE法)
- 皮膚切開
- 軟部組織除去・椎弓の露出
- 椎弓部分切除
ノミまたはドリルを用いて椎弓を部分切除する - 黄色靭帯切除
椎弓や上関節突起を部分切除し、付着する黄色靭帯も一緒に切除するか、エイヒなどで付着部から剥離して黄色靭帯を切除する - 後縦靭帯切開
硬膜菅・神経根を正中側に避けて保護し、後縦靭帯を切開して椎間板に達する - ヘルニア摘出
- 閉創
ドレーンを留置し閉創
腰椎椎間板摘出術 看護のポイント
脊椎の器械出ししているとなかなか術野が見えなくて手術の流れが読めないんだよね
ノミが出たら次はヘルニア鉗子
椎弓を部分切除するときに執刀医がノミを使用したら、その後切除した椎弓をヘルニア鉗子で取り出したいと思います、そのためノミが出たらヘルニア鉗子を渡せる準備をしておくといいと思います
執刀医の先生が硬膜損傷しちゃったって言ってる
硬膜損傷時の看護ポイント
術中もし硬膜を損傷した場合は、損傷した硬膜を縫合する場合もあるため、縫合する物品を外回りの看護師にお願いする、また保護シートや組織接着剤を使用することもあるので必要じ外回り看護師にお願いするといいと思います、組織接着剤は溶けづらいことがあるので冷蔵保存している場合は、冷蔵庫から出してき医師の指示があれば溶解を開始してください
外回り看護師も硬膜が損傷したことを病棟看護師に申し送る、病棟でのドレーンチューブからの排液の観察や、ADLが自立してきた頃の頭痛やふらつき、めまいなどの観察に必要になってくるのでしっかりと病棟看護師に申し送りをしとくといいでしょう
まとめ
自分は脊椎の手術は術野が見えないので、何をやっているのか分からないため苦手意識がありました
しかし、この物品を使った後は執刀医は次この物品が必要にするんだなと紐付けしていくことで、次何の物品が必要か分かるようになってきました。
術中に起きてしまった硬膜損傷や出血など、脊椎の手術では術後の病棟看護師が知っておきたいこともあるのでしっかり伝えられるようにしておきたいですね
最後まで読んでいただきありがとうございました
少しでも参考になれば嬉しいです
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